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TOPICS【共創事例:公民連携による「子どもの一時預かりサービス」実証実験~株式会社キッズライン インタビュー】

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  • まちの健康研究所「あ・し・た」
  • 柏市
  • 一般社団法人UDCKタウンマネジメント

2022年秋にUDCKタウンマネジメントと柏市、株式会社キッズライン、三井不動産が協同して実施した、「子どもの一時預かりサービス実証実験」。
先日、柏市こども部こども政策課のインタビューをお届けしましたが、今回は民間側のパートナーにお話を伺います。株式会社キッズラインの福田太樹様、菅原智代様、そして前回に引き続きUDCKタウンマネジメントの佐藤好浩にお話しいただきました。

 私たちは、ご利用者様が安心安全に利用していただくためベビーシッター・家事サポーターのクオリティを重視しています。柏の葉のメッセージや取り組みに共感して、何かしらお手伝いできることがあればと思い、参画しました。

―まず、キッズラインさんの事業内容について教えてください。

キッズライン 菅原様:キッズラインは、主に子育てをしているご家族とサポーター(ベビーシッター・家事代行スタッフ)の出会いの場を提供するオンライン・マッチングサービスです。24時間いつでも、スマホで簡単にベビーシッター・家事代行を依頼することができます。当社が選定したスタッフを一方的に派遣するのではなく、様々なスキルを持ったベビーシッター・家事サポーターの中からユーザー自身がご要望に合ったベビーシッター・家事サポーターを選ぶことができます。また、徹底したIT化により、中間コストをかけずに、その分サポーター様に還元される仕組みを実現しています。

サービスを運営する上で最も重視しているのは、登録サポーターのクオリティです。今年度からは登録基準もかなり厳しくなっておりまして、保育士・看護師の資格を持っている方、または同等の研修を受けた方のみが登録できます。
さらに、資格があればOKということではなく、面接、ロールプレイング、モニターによる最終チェックを経て、最終的にデビューできるサポーターは、登録会参加申込者のうち2割程度です。

キッズライン 福田様:つまり、当社の選考をパスした保育経験におけるプロフェッショナルだけが登録サポーターになれるという体制を取っています。また登録サポーターだけが受講できる「キッズライン大学」というオンライン講座を社内で複数開催し、登録後もスキルアップに努めていただいています。こうしたかたちで、サポーターの質の向上に努めています。

―今回の実証実験に参加することになった経緯はどのようなものだったのでしょうか。

UDCKTM 佐藤:実は私自身が子育て中で、キッズラインさんのユーザーなのです。自分自身でサービスのクオリティを実感していて、信頼できると思ったので、ホームページからご連絡をいたしました。そのときにご対応いただいたのが、菅原さんだったんです。

まず最初にご相談したのは、柏の葉の暮らしを健康的でスマートにする様々なサービスを利用できるポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」におけるサービス提供です。これは現在も無料のベビーシッター体験イベントなど、継続して実施しています。この流れの延長線で、今回の実証実験にもご参画いただきました。今回の実証では、ベビーシッターのマッチングを担当いただくとともに、参加率を高めるために5,000円相当のクーポンの配布もしていただきました。

 キッズライン 菅原様:最初に柏の葉の街づくりについて佐藤さんからご説明をいただいたときに、街全体で社会課題の解決に向け共創を通じたイノベーション創出に取り組んでいらっしゃることや、柏の葉における子育て支援の課題などについてうかがい、強く共感しました。当社の事業で何かしらお手伝いできればと思い、参画させていただくことにいたしました。

キッズライン 福田様:当社のサービスや特長は、お子様がいない方やご利用経験が無い方ですとご理解いただくのに時間がかかることもありますが、佐藤さんはご自身がご利用者様ということで、最初からご理解やご共感をいただけていたので、とてもありがたかったです。
親御様にとって、誰かにお子様を預けることは大きな決断だと思います。柏の葉のご利用者様の視点で最適な形を一緒に検討していけると感じました。

子育て支援は民間企業だけでも行政だけでも完結できるものではなく、社会全体で取り組んでいく必要があります。今回のスキームに高い可能性を感じました。

―今回、柏市・UDCKTM・三井不動産と、立場が異なるプレイヤーによる共創プロジェクトとなりました。どのようにお感じになられましたか。

キッズライン 菅原様:UDCKTMと柏市さんのご尽力のおかけで、まず集客がとてもうまくいきました。
また、当社にとって自治体と協働させていただくプロジェクトは初めての経験だったのですが、UDCKTMの佐藤さんが調整役となっていただいたことで、とてもスムーズにやり取りができました。

UDCKTM 佐藤:いえいえ、なにより柏市さんの柔軟なご対応のおかげです。ただ、UDCKTMという社団法人、民と官の中間的なスタンスの組織が間に入ることで、クイックにチームビルディングが出来たという側面はあると思います。
柏市さんもとても柔軟だったし、キッズラインさんもすぐにこの取り組みを理解して乗ってきてくださった。プレイヤーが相互に協力していけたという実感はあります。

キッズライン 菅原様:実際に運営が始まると、地域のサポーターの皆さんの反応も良かったです。「そういう取り組みならぜひ参加したい」というサポーターさんが多く、官民が連携したこうした取り組みを魅力的に感じてくれたようです。

UDCKTM 佐藤:そうですね。ですので、実際に運営してみると、全体としてとてもスムーズに出来たと思います。

―キッズラインさんとして、具体的な成果はありましたでしょうか。

キッズライン 福田様:当社にとって自宅以外でのサービス提供は初のケースでしたので、貴重な経験になりました。駅前の商業施設での一時預かりニーズを知ることが出来たのはとても大きな点です。こうした取り組みを当社が発案したとして、商業施設をお借りするところから交渉していくことを想像すると、場所のコストなど、かなりハードルが高いです。とても当社単体ではできません。三井不動産さんがアセットを提供してくれたので実現できたことだと思います。

キッズライン 菅原様:柏の葉の皆さまに、ベビーシッターという選択肢を示すきっかけを作ることが出来ました。新しい保育のカタチを知っていただき、触れていただけたのも大きな成果でした。

キッズライン 福田様:子育て支援は社会的な課題ですので、民間企業だけでも行政だけでも完結できるものではなく、社会全体で取り組んでいく必要があります。今回のスキームに高い可能性を感じました。

当社だけではできないものでも、多様なプレイヤーとの共創なら可能性は広がると思います。1つひとつ、出来ることから進めていければ嬉しいです。

―柏の葉ならではの子育て支援のカタチができ、それを全国に広めていけると良いですね!最後に、今後の計画や期待について教えてください。

キッズライン 菅原様:もちろん街の皆さまにキッズラインのサービスをより広げていければと思いますが、違う観点で言うと、「スマートライフパス柏の葉」での体験イベントも含め、この地域のサポーターの方々の活躍の場が増えていることも弊社の成果の1つだと思っています。その意味では、この地域にはサポーターとしてご活躍いただけるスキル・経験をお持ちの方も多いと思いますので、そうした方々にご自身の強みを活かせる場としてキッズラインでの働き方を知っていただければありがたいと思っています。

UDCKTM 佐藤:これはまだ私の着想ベースの話で、怒られちゃうかもしれませんが(笑)、個人的に3つ構想があります。

ひとつは、年末にキッズコーナーを片付けたときに機材関係のレンタル会社の社長さんから聞いた話で、キッズコーナーの木製のおもちゃは木材を塗装し直して使っているんですが、これはフルタイムでは働けないママさんたちがスポットで働いて作業しているそうなんです。で、その仕事をマッチングしている会社では、全国の子供たちに「おもちゃの再塗装ワークショップ」をやっているそうです。小さい子供たちに塗装の仕方を教えながら、出来たものを全国のキッズコーナーに置いている、というお話でした。
そのお話を聞いて。柏の葉にもフルタイムでは働けないけどスポットでスキルを活かしたいという方は多いので、柏の葉でこうしたワークショップをやったら面白いのでは、と思ったんです。そこで集まった興味のある方から、キッズラインのサポーターになる方が出てくるといいな、と思っています。

また、春以降にこの一時預かりの第2弾を行いたいと思っています。いま色々と下準備を始めています。日本ではベビーシッターサービスの認知がまだ低いので、回を重ねることで利用率も上がっていくのではないかと思います。

そして3つめに、駅前のKOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)などのオフィスにおける一時預かりです。お子さんが小さくてどうしても早く帰宅しなければならない時期のワーカーさんへのサービスとして、たとえばイベントやセミナーの際に隣の会議室で一時預かりをするとか。スタートアップには子育て世代も多いので、事業支援としても機能すると思うんです。

いかがでしょう?(笑)

キッズライン 福田様:システム開発など色々と越えなければならないハードルはありますが、どのお話も構想としてとても面白いと思います!当社だけではできないものでも、柏市さんや三井不動産、UDCKなどと一緒なら可能性は広がります。1つひとつ、出来ることから進め、育児や家事で負担を抱えているご家庭の選択肢として様々なニーズに応えていければ嬉しいです。

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