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TOPICS【共創事例:KOILテナント企業から、かけだし横丁出店へ。『everrice』インタビュー】「お世話になってきたKOILの仲間たちと一緒に、新しい挑戦を始めたい。」

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KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)開設以来のテナント会員、EVERライン株式会社の生井孝志さんが、息子さんへの事業承継を完了し、この夏「柏の葉かけだし横丁」に、多くのKOIL会員との共創による飲食店をオープンします。これまでの経緯やお店の計画などについて、生井さんと、お店を共同運営する娘さんの諏訪奈々美さんにお話を伺いました。聞き手はKOILコミュニティマネージャーの大須賀芳宏です。

KOILで若い会員さんたちと話すようになり、すごいなと。未来のある若い人が好きなので、ずっと応援してきました。

―まず、2014年のKOIL入居までのお話を聞かせてください。

長い間勤めてきた運送会社を退社し、起業したのが2007年のことです。運送業は事故や車両故障などとてもリスクの高い事業で、若いころはさんざん苦労してきました。たとえば夜は携帯電話を2つ枕元に置いたまま寝るんですが、毎晩のようにその電話が鳴る、というような。そこで、最小限のリスクテイクで出来る運送業として、「利用運送業」と言うんですが、荷主と実運送業者のマッチングをする会社を興したんです。

最初は守谷で起業したのですが、お客さんのために、より車でのアクセスが良くて、静かで綺麗な街を探していて、当時街開きしたばかりの柏の葉キャンパスを見つけました。ここにオフィスを置きたいと思ったんですが、当時はまだオフィス物件は無かったんですよね。その頃、いまKOIL6階にあるカフェレストラン「AGORA」が一番街の足元にあったんですけど、そこでしょっちゅう食事をしていたら、三井不動産の社員さんと顔見知りになりまして。ある日、「こんどオフィスを創りますよ」という話を聞いて、「あ、入居します」と、その話だけで決めました(笑)

―KOILオープン後少しして、会員さん同士の自社事業紹介イベント(現『Pitch and Match』)を始めたんですけれど、その3回目くらいから参加して下さるようになったんですよね。

最初は若い人たちのデジタルな話なんか分からないなと思って横眼で見てたんですけどね(笑)。でも話を聞いてみたら、みんなすごいなと。その頃は「おれの仕事はファックスがあれば十分、インターネットとか興味ない」なんて言ってたんですけど、彼らから学んでその価値が分かりました。一方で、一流企業を退職して事業を立ち上げます、なんて言っている若い人を見たら、親心と言いますか、もう心配で。それで「お前、俺の会社のIT顧問やってくれ」と発注させていただいたりしてきました。元々、未来のある若い人が好きなので、応援したくなるんです。

―そしてその後、そのイベントの常連の若い会員さんたちと「生井会」を立ち上げます。

若い人たち同士で支え合ってそれぞれの事業を伸ばしてくれたらいいなと思い、立ち上げました。もう8年になります。IT系、建築家、ネット通販、ソーシャルビジネスなど、事業内容はバラバラな8人で、定期的に集まって近況報告会をしています。会議室できちんと話した後にみんなで飲みに行くんですが、毎回刺激をもらえますし、楽しいですね。

これまでやってきた事業を息子に承継し、セカンドキャリアとして、夢だった飲食店を娘と一緒に始めます。

―その「生井会」を中心とするKOIL会員の皆さんとの共創で、今回、かけだし横丁に飲食店を出すことになったわけですが、その経緯について教えてください。

私も60歳を超えたので、3年前から徐々に息子に事業を承継してきました。今年の4月からは本格的に息子の会社が稼働したのですが、これがお陰様でとても順調なので、いよいよ昔からの夢だった自分の飲食店を持とうと。娘が20年以上飲食業界で働いてきてノウハウがあるので、一緒にやろうと誘いました。そうすることで、息子に運送業を渡したように、娘には飲食店を残してやれる、という想いもあります。

―もともと飲食店が夢だったんですね。

そうなんです。私は人と話すことが好きで、人と接していないといられない性分ですし、お酒も大好きなので、いつか飲食店をやりたいと思っていました。「柏の葉かけだし横丁」が出来る前、柏の葉では広場に屋台が並ぶイベントをやっていましたよね。あれが大好きで、こういう店やりたいなぁとずっと考えていたんです。そして「かけだし横丁」が出来てからはほぼ毎日通っていますが(笑)、個人経営のお店ならではの魅力で、店主や隣のお客さんとの距離が近く、話が弾んで本当に楽しく過ごせます。それで、大好きな「かけだし横丁」に自分の店を持とうと決めました。

―娘さんは、いつ頃このお話を聞いたのでしょうか。

(諏訪様)一緒にお店をやりたい、という話はもうずっと前から父は言ってたんです。でも、いつやるのかな?本当にやるのかな?と思っていて。今年に入って、本気でやるんだ、となって、一気にお話が進んだという感じです。

―自分のお店を持つのは、ワクワクですね。

(諏訪様)そうですね…私はこれまで20年以上大手チェーンの飲食店で働いて、店長としてお店を任されるまでになりました。ですので、接客も厨房も一通りの経験はあります。でもそれは、本部があってマニュアルがあって、という大手での経験ですので、すべてをゼロから自分で考えて動くお店は初めてです。だから不安も大きいというのが本音です。ただ、私も父と同じで人が好きで、人と接する仕事しか出来ないんです。だからもちろんワクワクもしています。ワクワクと不安、半々という感じですね。

店を出すならKOILの仲間と一緒につくりたいと思ってきました。一流の専門家が、昔からの仲間として助けてくれているのは本当に心強いです。

―では、お店について教えてください。どんなお店になるのでしょうか。

運送業の社名を引き継いで「everrice(エバーライス)」と名付けました。私の地元である茨城と千葉の食材をつかった、「肉と米と酒」の店です。

実家が常総市で農家をしていて、米をつくっていますので、自慢の美味いお米をたくさん召し上がっていただきたいです。娘は肉のプロですので、常陸牛とローズポークを使い、昼は牛丼やロコモコ丼など、どんぶりの定食をお出しします。こだわりの、具沢山の味噌汁も楽しんでいただければと思います。
また、午後にはかき氷をお出ししてカフェ営業をする予定です。

そして夜は、しゃぶしゃぶやおつまみと一緒に私の好きなバーボンを中心としたお酒を楽しんでいただきたいと思っています。

―先日、KOILの共創メンバーと試食会が行われ、私も参加しましたが、とても美味しかったです!それでもメンバーから厳しい意見もたくさん出ていましたね。仲間との共創の手ごたえはいかがですか。

内装設計、グラフィックデザイン、店舗運営など、一から探すのは難しい一流の専門家が昔からの仲間として助けてくれているのは本当に心強いです。さらに彼らは地元の住民・ワーカーとして、お客様目線でのアドバイスもくれるので、助かっています。すでに人間関係が出来ているので、いい意味で遠慮なく、本音で厳しい意見も言ってくれますし、表面的なアンケートやモニターでは得られないものがあります。

ずっとKOILでお世話になってきたので、店を出すならKOILの仲間と一緒につくりたいと思ってきました。それぞれの出来ることを持ち寄って経済を回していければと思いますし、そのお役に立てるなら嬉しいです。

―最後に、どんなお店にしていきたいか、お聞かせください。

経営者として、あるいは個人として積み重ねてきた経験をすべて活かせる店だと思っています。人がたくさん集まって、いつも楽しくおしゃべりが出来る店、新しい出会いのある店にしていければと思います。8月にKOIL会員向けにプレオープン、9月にグランドオープンの予定です。皆さまのお越しをお待ちしています!

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