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TOPICS【すべてのプレーヤーが成長できるエコシステムの構築に向けて。柏の葉スマートシティにおけるライフサイエンス分野の取組み】

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「世界の未来像をつくる街」として、イノベーション創出に取り組む柏の葉スマートシティ。その注力分野の1つが、ライフサイエンスです。この取り組みの目的や活動内容などについて、三井不動産柏の葉街づくり推進部の井槌崇人さんにお話をうかがいました。

柏の葉のポテンシャルを活かして、ライフサイエンス分野における産業創造と社会課題の解決を実現したい。 

ー最初に、ライフサイエンス分野を柏の葉における注力領域の1つとした理由について教えてください。

実際にライフサイエンス分野の研究に注力しているのは、アカデミア・研究機関の皆さまです。最先端の研究分野において、研究内外における大きな課題を抱えながら日々努力をされています。街づくり、施設づくりを進める私たちデベロッパーや行政が、他人事では無くそれぞれの立場から主体的な取組みを行い、そうした皆さまを支援していくことがとても重要だと考えています。場所の提供はもちろん、行政との連携、情報交換や共創を促進するコミュニティの形成など、全方位でサポートすることで、イノベーション創出を支援したいと考えています。

ではなぜ柏の葉なのかというと、柏の葉には研究機関や大学など最先端の知が集積しており、特に次世代医療・バイオ分野において世界に先駆けた研究・実践が行われています。
たとえば国立がん研究センターは、がん領域における治療や創薬の日本の中心地として、次世代治療の発展へ貢献しています。また、東京大学の柏の葉キャンパスには広範な専門分野の研究者が結集しています。さらにバイオ領域においての先進的な取り組みが多い千葉大学、人間拡張領域の最先端研究拠点がある産総研などを始めとする研究施設が、柏の葉に集まっています。

次に、他のワーカーの方々と同じく、研究者の方々にとっても、働く場所・住む場所の環境はとても重要です。柏の葉では駅前を中心とした2km圏内に住まい・商業施設などの住環境とインキュベーション施設が集積しており、今後さらに発展していきます。コンパクトなエリアに豊かな自然と利便性の高い生活施設が揃っており、理想的な職住近接環境だと言えるのではないでしょうか。柏の葉が研究者の皆さまのワークライフバランスを実現する場になることが、成果創出に向けた大きなサポートとなると考えています。

そして、いま申し上げた「最先端の研究・実践施設の集積」と「高質な生活基盤」という2つのポイントはそれぞれに大きな特徴ですが、さらにこうした環境を活かし、持続的な横断連携ができる仕組みがあれば、柏の葉をライフサイエンス分野における産業創造と社会課題解決を実現するエリアにすることが期待出来ます。そのために様々な取り組みを進めています。

―「街」という単位での研究開発には大きなポテンシャルがあるのですね。「街」ならではのオープンイノベーションの事例はありますか。

柏の葉には、住民参加型の健康づくり拠点「街の健康研究所あ・し・た」や、健康関連のサービスを受けることが出来るポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」などがあります。近年は、これらの生活者の方々とのリアルとデジタルなアクセスポイントを活かして、アカデミアや研究開発を行う企業と住民の方々とのコラボレーションによる新たな研究開発・実証が生まれています。

また、コロナ禍で地域医療体制の崩壊を防ぐため、アカデミアと地元・行政の方々が組織横断的に協力した事例があります。
(詳細リンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000043244.html
この「明日に備える新型コロナウイルス感染症検査体制強化プログラム」では、柏市、柏市医師会、東京大学大学院新領域創成科学研究科附属生命データサイエンスセンター、楽天メディカルジャパン株式会社様、タカラバイオ株式会社様の5者の方々が連携し、医療現場のニーズを満たした新たなPCR検査供給体制の構築を実現しました。

企業・組織間連携へのハード・ソフトの支援が充実した「柏の葉ライフサイエンスフロンティア」。

―このような連携・共創を促進するための仕組みの整備も進んでいるのでしょうか。

はい。こちら(https://www.kashiwanoha-smartcity.com/lifescience/)で詳細をご紹介していますが、「柏の葉ライフサイエンスフロンティア」と名付け、関係機関で連携した取り組みを進めています。

その中核にあるのが、2022年に発足した「柏の葉ライフサイエンス協議会」です。
柏市、国立がん研究センター、産業技術総合研究所、千葉大学、東京大学、三井不動産の公民学の各プレイヤーが集まり、多角的なサポートをすることによって個々の社会実装プロジェクトを加速させます。協議会の場ではアカデミアの先生方や太田和美柏市長が参加され、熱気に満ちたディスカッションが行われています。

また、「柏の葉ライフサイエンス協議会」の発足を記念して、柏の葉にご縁のあるライフサイエンス関連の企業・団体が集まる交流会「コウリュウノハ」を開催。大学、研究機関、自治体、企業から、事前の予想を大きく超える160名以上の皆さんにお集まりいただきました。ここで知り合って具体的な共創に向けた協議が始まった事例も生まれています。こうした交流・マッチングの機会も積極的に増やしていきたいですね。

そして、研究開発の場として、賃貸ラボ施設「東葛テクノプラザ」「東大柏ベンチャープラザ」「三井リンクラボ柏の葉」があります。コンパクトなエリアに多彩な賃貸ラボ施設が集積しているのも柏の葉の特徴です。これらの施設に集積する企業、スタートアップに対しては、企業間やアカデミアとの横断連携をハード・ソフトの両面でサポートしていきます。

―これから様々な成果が生まれてきそうですね。企業・組織間連携、オープンイノベーションに向けた具体的な取り組み事例を教えてください。

すべてはお伝えしきれないのですが、ここでは2つほどご紹介します。

1つ目はアステラス製薬様のがん微小環境オープンイノベーション拠点開設です。国立がん研究センターをはじめ、アカデミアに近接した柏の葉エリアのメリットを活かして社外とのコラボレーションを進め、難治性がんにおいて課題となるがん微小環境に関する知見の獲得・イノベーションの創出を目指されます。

2つ目は、帝人株式会社様、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング様、国立がん研究センター、三井不動産で取り組む「再生医療プラットフォーム」です。これは、2024年初頭に予定される帝人様の再生医療等製品の開発受託拠点開設に伴い、がんをはじめとする未解決の疾患への革新的治療法の創出を目指し、再生医療等製品の研究・開発から事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する取り組みです。同分野のシーズの開発を支援することで、日本発の革新的な治療法の提供を通じて社会に貢献することを目指していきます。

今後も多くの取り組みが柏の葉から生まれます。本ウェブサイトやニュースリリースなどで順次発表されていきますので、ぜひご注目ください!

柏の葉を、「住民が生涯健康で暮らせる街+新たな医療が生まれ育つ街」に。そしてその成果を世界に還元したい。

―では最後に、今後に向けた目標、メッセージをお願いします。

日本はバイオの研究開発分野において高いポテンシャルを持ちながら、世界の先進的なエリアと比較した際に、研究開発において重要なエコシステム形成で遅れをとっていることが課題として挙げられています。多くのプレイヤーが集う「共創」の場へと進化しつつある柏の葉スマートシティが、この課題解決の一端を担い、日本全国のコミュニティと共に成長していければと考えています。

柏の葉が特徴を活かし「住民の方が生涯健康で暮らせる街」「新たな医療が生まれ育つ街」へ発展していけば、他には無いエコシステムのモデルケースになると思います。その目標に向け、エリアの方々と本活動を加速させます。この挑戦に共感いただける皆さまの参画をお待ちしております!
 

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