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TOPICS【共創事例:“きらめきとひらめき”のLINKガーデンフェス 実行委員会インタビュー】「『ヒューマン×グリーン×テクノロジー』でつながる住民参加型まちづくりに挑戦します!」

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  • 柏の葉アーバンデザインセンター[UDCK]
  • 柏市
  • 一般社団法人UDCKタウンマネジメント
  • UDCK
  • 三井不動産株式会社

UDCK、UDCKタウンマネジメントと柏市、三井不動産が協同して実施するアートイベント「LINKガーデンフェス」。昨年秋から着々と練られてきたさまざまな企画が、9月には街ナカに繰り広げられます。三井不動産株式会社吉川 征通さん、柏市北部整備課町田 哲平さんと渡辺 大智さん、UDCKのバンバタカユキさんにお話を伺いました。

『ヒューマン×グリーン×テクノロジー』で歩きたくなる街をつくり、同時に公共空間の継続的なメンテナンスを進めます。

―「LINKガーデンフェス」とはどんなイベントなのか教えていただけますか。

バンバ:柏の葉キャンパス駅前からかけだし横丁を経て横断歩道を渡り、KOIL LINK GARAGEの前からアクアテラスに沿ってTサイトへ。そこからさらに奥のKOIL 16 Gateまでの一連の施設をつなぐ導線を楽しい仕掛けでウォーカビリティを上げ、同時に街のメンテナンスもしてしまおうというアートイベントです。
イノベーションキャンパス地区まちづくりビジョンにもとづいて、かけだし横丁からKOILGARDEN前までの「リンク」の環境整備、そしてアクアテラス北側の「フェスティバルストリート」の運用強化、そこからKOIL 16 Gateにつながる「ガーデンストリート」の新たな位置づけを行い、一連の流れとしてウォーカビリティの向上を図ります。

地区内の回遊性の実証実験と同時に、アクアテラスなどのすでに整備されている公共空間のメンテナンスも継続性を持たせながら進めていこうという目的もあります。特に今あるもののメンテナンスや、まだ少し不足していると思われるところには、仮設物や植物などを設置することで歩いて楽しい道にしていく、というのが大きな枠組みです。
最終的には、本格的な開発が行われる時により高質化していく、その足掛かりとしていろいろ試しているという状況です。また、アートやグリーンなどを設置する段階からさまざまな人に関わってもらう参加型のイベントにしていくことにも大きな意味があると感じています。

―コンセプトにある、『ヒューマン×グリーン×テクノロジー』とはどんな意味ですか?

バンバ:「ヒューマン」とは、人を大事にすることです。開発時はついつい人間ありきが忘れ去られてしまい、逆に居心地が悪くなってしまうというこがありがちです。現在、かけだし横丁は小さな建物や提灯、椅子やテーブルなどヒューマンスケールのものが集まってできている街区になっていますので、それをそのまま奥まで引き継いでいこうという考えに基づいています。

「グリーン」は、植物という意味だけでなく、水、風、太陽なども。「自然」と広義でとらえて「グリーン」と呼んでいます。

最後に、「テクノロジー」ですが、柏の葉でやるからには、何かしらテクノロジーと掛け合わせていくということが重要。まさにKOIL FACTORY PROのあるKOIL 16 Gateやモビリティフィールドのある135街区はテクノロジーの街区なのですから。

これらの3つを意識しながらうまく掛け合わせて展開していくというのが大きなコンセプトです。

―「LINKガーデンフェス」を立ち上げるきっかけは?

吉川:昨年、KOIL 16 GateとKOIL LINK GARAGEがオープンして、住民や来街者が行き交う機会ができました。とはいえ、駅前からの人の流れがまだ弱い。テナントさんからも「夜の通りが暗い」とか「平日ももっと人の流れを」と意見をいただいていて、それならイノベーションキャンパス地区まちづくりビジョンがありますので、それを運用してイベントに活かすのが良いのではないかと。まちづくりの観点から解決できないかとの想いからこのアートイベントの企画が生まれました。

もう一つ、アクアテラスもできて7年位になりまして、すでに皆さまから日常的に親しんでいただいていますが、少し経年劣化してきているところもあるようです。例えば可愛い浮き輪などもあるのですが、文字が消えてしまっているものもあるので、それを住民参加のワークショップなどで塗り直しをする、木の手すり部分をヤスリ掛けして汚れを落として保護材を塗る、などは楽しいのではないかと。また、普段から清掃活動はしていますが、もっと住民の方も巻き込んでイベント的にメンテナンスをすることで、さらにアクアテラスに愛着が沸くのではないかと考えました。そういった「参加の場」をデザインしていくのも「LINKガーデンフェス」の目的です。

――住民の方々にはどういう形で広報されるのでしょうか?

バンバ:2回ほどワークショップをしていまして、その時はInstagramとポスターなどで参加を呼びかけました。

渡辺:フォロワーの多い柏市北部整備課のX(元Twitter)でも随時更新していく予定です。

共創ならではのメリットを活かして、継続的に効果を上げていけるイベントにしていきます。

――ちなみに、今回、行政でないとできないこともあると思うのですが、具体的にはどんなことでしょう?

渡辺:今までも柏の葉キャンパス駅前空間の整備については、民地と公道の歩道部の境目を目立たなくするなど、公民学連携で取り組んできました。柏の葉キャンパス駅前では道路の特例占用制度を活用して歩道部にベンチ等をすでに設置していますが,LINKガーデンフェスでも同様の制度を活用しベンチ等を設置していく予定です。
少し前にかけだし横丁の横の通りに歩幅を示す丸いドット柄を設置しましたが、これも柏市が管理する公道だったため、我々北部整備課が道路管理者との間に入り調整を行ったことで、スピーディーに設置することができました。今回も設置場所が柏市の管理用地の部分については、各管理者との調整を行ったことで、ベンチやプランターの設置に関する協議がスムーズに進むのではと考えています。今後は、TX高架下のフェンスも市が借地をして、サインの設置などに取り組んでいきます。
また、歩行者を誘導するための案内サインについても市が設置及び管理を行っています。

――アートをまちづくりに導入するというアイデアはどこから?

吉川:最近のトレンドとして、アートの導入は多くの方に受け入れられやすく、個性化を図ることで街の価値が上がるため、不動産開発においてもこういった事例が増えています。柏の葉でも初期はまちづくりの活動にアートを取り入れてましたが、近年はアートの活動が下火になっていました。そこで、今回復活させて、イベントにアートの要素を入れて賑わいを出していければと考えたのです。歩道や調整池といった公共空間を舞台にDIY感覚でアートやオブジェクトを連続的に配置してウォーカブルで楽しみや賑わいを出す、ある意味公民学が共創する共犯的なゲリラアートといえます。

――一過性のものではなく、継続的に設置してそれをまたメンテナンスするものになるのですね。

吉川:はい。ビエンナーレなどと同じように、隔年でアートを少しずつ採り入れて設置を増やしていく予定で、基本的にそれらのアートは常設にします。ただし、建設中の仮囲いのアートは工事中のみの展示になります。一方で清掃活動などの環境メンテナンスは毎年実行します。

バンバ:また、「LINKガーデンフェス」は単独開催ではなく、既存のイベントと同時開催にするのも特徴です。例えば、今年の5月にはマルシェコロール開催のタイミングで缶バッチを作るワークショップをしました。単発でイベントを打つよりも、既存のイベントに合わせて開催した方が全体的に盛り上がりますし、多くの方に参加していただけます。今までも定期的に行ってきたアクアテラスの清掃も7月に「アクアテラスクリーン作戦!」というイベントにしたところ、大変盛り上がりました。今年のスケジュールは10月のイノベーションフェスとセットで行って今年度の設置やメンテナンスは一通り終了です。

――年度ごとにしめて振り返りながら続けていくという感じですね。

吉川:今年初めて実行できたので、2年後はどこにどういうものを置いたらいいかなど議論していきます。下半期は次年度以降の作戦会議を10月以降に、4月からメンテナンスをしつつ2年後に備える、という感じですね。
将来、16 Gateのテナントさんが「お客さんがたくさんいらして大変です!」とか、外部から「ここに店を出したいです!」と言ってもらえるくらい賑わうといいですね(笑)

渡辺:それから、とかく行政が担当する部分に関しては、住民の方や利用者が気付かないうちに整備されていて満足しているという側面もあります。「LINKガーデンフェス」がそういう要素を持っていることも普通のイベントと違うところだと思います。かゆくなる前に手を打つように、いつの間にか街が良くなっているというのが重要なポイントです。イベントにはその気付かれない部分と明らかに綺麗に使いやすくなっている部分の両面があり、どちらも大事なことです。

最初に設置するのは植物、照明、アート、サイン、ファニチャーという5分野の制作物です。

―例えばどういうものを設置する予定でしょう?

バンバ:設置物は、植物、照明、アート、サイン、ファニチャーという5つのジャンルを考えています。すでに設置されているものもありますが、新たに設置してウォーカビリティを上げていきたい。昨年度下半期からスタートして議論は始まっていますが、具体的に設置していくというフェーズに入ったのが今年度。8月中にはTX高架下のフェンスとその先のアクアテラスのS字カーブの通りの手すりにソーラーランタンが設置されます。その2カ所が少し暗いというご意見が地域の方々から上がっているので、防犯という意味でも意義のあることですし、歩いて楽しくなるように光で道をつないでいきたいですね。そのランタンづくりのワークショップを9月くらいに予定しています。

吉川:開発時に正連寺エリアで切った木を、捨ててしまうと記憶に残らないしもったいないと、柏市で保管していただいているのですが、それをベンチに加工して、街の中に居場所を作るという企画もあります。地元の小倉建設さんという木造専門の企業にお願いしてベンチに加工して、この地域で育った木を再利用するというストーリーを継承していきたいと考えています。
デザインはバンバタカユキさんにお願いしました。

バンバ:壁面アートは4か所。歩いていくにつれて笑ってハッピーになれるアートです。これはクリエイターの川越麗子さんと柏の葉を拠点に活動している波木香里さんによるデザインです。

プランターは千葉大学園芸学部大学院生の皆さんによって、街ナカにプランターを置くとしたどういうものがいいか?ということを課題化しています。実寸のモクアップと、1/5の模型、プレゼンテーションパネルを作って、UDCKで9月の頭から1週間展示、9月6日に審査会を開き案の選定をします。選ばれた案を基にプランター制作を業者に発注して9月中に設置されます。

設置場所はTX高架沿いとモビリティフィールド沿いで、それぞれ8~10個ずつの予定です。その中に植える植物はグリューンさんに選定してもらい、千葉大の霜田教授に相談の上、学生さんに指導しながら設置。この2カ所はそれぞれ環境が違うので、その場所に合う植物を植えることになります。
学生さんも自分たちがデザインしたものが製品になっているので、途中経過は観察するために定期的に見に来るのではないでしょうか?かかわる人が増えれば訪れる人も増えるのではないかと思います。

このように、プランター、ベンチ、ランタン、壁面アートは9月中には実行される予定です。また、公道のサインは昨年度柏市が設置済み。これは先ほど話に出ましたが、行政が一緒にしないとできないことです。
今後はTX高架下KOIL LINK GARAGE前の仮囲いのフェンスを利用して、柏の葉のロゴや地区の名前のロゴを掲示します。

――それらには「LINKガーデンフェス」の設置物であることがわかる印などはつけるのでしょうか?

バンバ:はい、それぞれ設置物に「LINKガーデンフェス」のロゴが入ります。イエローを基本に、ターコイズブルーも考えています。また、QRコードをプラスしてそこには書ききれない説明やストーリーを読んでいただけるといいなと。

―最後に、どんなイベントにしていきたいか、お聞かせください。

吉川:今回、住民が参加しメンテナンスすることで自分たちの街について知る、ということが重要なポイントなので、参加しやすいイベントとして運営していかないといけないですね。今後、開発が進んで新しい住民さんが増えた時にも、この活動が途絶えないようにしていかないと。新規参入する企業にも積極的に参加していただけるようなイベントになるといいなと考えています。
きっとこの数カ月で柏の葉の景色が変わっていくはずですのでお楽しみに!

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