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TOPICS【Rugby School Japan インタビュー】 「柏の葉のコミュニティと一緒に、様々な領域で活躍できる総合的人材の育成に取り組みます。」

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この9月、ついにRugby School Japanが開校します。校名がそのまま競技名となったラグビー発祥の地としても知られているラグビー校は、イギリスを代表する名門パブリックスクールです。アジアで2校目、日本では初のラグビー校によるインターナショナルスクールが柏の葉に出来ることで、「国際キャンパスタウン」としての柏の葉がより活性化することが大きく期待されています。
同校が柏の葉に来た理由や、柏の葉での活動予定などについて、初代校長のトニー・ダービー先生と、課外活動・パートナーシップ/事務局長の二渡一行さんにお話を伺いました。聞き手はKOILコミュニティマネージャーの大須賀芳宏です。

独自のカリキュラム、課外活動、そして心のケアにより、様々な領域で活躍できる総合的人材を育成していきます。

―映画「ハリーポッター」シリーズのモデルとしても有名な、イギリスでもトップクラスの名門校であるラグビー校が日本に来る、というのは嬉しい驚きでした。なぜ日本に学校を開くことにされたのでしょうか。

ダービー様:日本には、インターナショナルスクールを開くのに適したクールな点がいくつもあります。日本独特の美しい文化やしきたり、素晴らしいロケーション。また最も重要なポイントとして、自分の子供に国際的なマインドやグローバルな視点を持たせたいという親御様が近年増えていることが挙げられます。
そうした環境において、もちろん東京を中心にインターナショナルスクールはすでに数多くあるわけですが、当校は基本的に寄宿舎制であるという特徴があります。当校ならではの新しい、他とは違った経験・学びを提供したいと思っています。もちろんすでに日本の教育システムは素晴らしいものですが、そこに新しいエネルギーを注いでいくことができれば嬉しいです。

―Rugby School Japanはどのような学校になるのでしょうか。教育方針などについて教えてください。

ダービー様:私たちは「Whole Person, Whole Point」という理念を掲げ、ホリスティック教育(Holistic Education)を大きな方針としています。開校以来450年以上にわたり、ラグビー校は総合的人材の育成に力を注いできました。生徒の勇気を養い、彼らが失敗を恐れずに挑戦することで学問的、精神的、芸術的に成長し、いつでもどんなことでも出来る人材となることを目指しています。
対象はYear7~Year13(日本における小学6年生から高校3年生)で、約780名(初年度は約160名)の子どもたちに、基本的に寄宿舎制で学んでいただきます。

総合的人材を育成するための当校独自のポイントは、3つあります。
まず独自のカリキュラム。通常の学習に加え、スポーツ、音楽、演劇なども加えた独自のカリキュラムを用意しています。
つぎに、課外活動に力を入れていきます。教室で学んだことを生活の中で表現できる場をつくります。
3つめがpastoral care、子どもたちの心のケアです。1人ひとりが自分らしくいられて楽しく過ごせる場所となるよう、Well-Beingの実現を目指しています。

当校がこれらを提供するための重要な要素が寮です。Rugby School Japanでは週7日または平日のみ5日、子供たちに寮で過ごしていただきます。それにより、いま申し上げた3つのことを提供できる時間と場所を確保しています。

地域コミュニティとともに活動することを大切に考えている学校として、柏の葉スマートシティの環境や文化はファンタスティックです。

―では、日本に出校するにあたり、柏の葉を選んでいただいた理由を教えてください。

ダービー様:これは私の着任以前の決定ではありますが、とても簡単な選択だったと聞いています。
柏の葉には、スマートシティとして世界の課題を解決するイノベーションを起こすための様々なアセットや取り組み、プレイヤーが揃っています。また、課外授業をするにあたって、地域内はもちろん、東京にも出やすい絶好のロケーションです。さらに、公民学が連携して街づくりを進めているということで、スマートシティのコンセプトの元、多様な方々と様々な活動をする機会がある。この3つの点から、すぐに柏の葉に決まりました。

―ありがとうございます。そうした期待を持って柏の葉にお越しになって、ダービー先生の実際の印象や感想はいかがですか。

ダービー様:私が柏の葉に来たのは去年、2022年の9月ですので、ちょうど1年になります。来日して3日後に柏の葉に来たのですが、その第一印象は「ファンタスティック!」でした(笑)
何よりも人々がとても親切で、両手を広げて私たちを迎えて下さっていることがすぐにわかりました。また当校の立地も素晴らしく、少し歩いただけであらゆる施設が揃っており、ここなら素晴らしい学校に出来ると確信しました。

現場を見てひとつだけ心配だったのが、1年前にはまだほとんど何も出来ていなかったため、本当にあと1年で開校出来るのだろうか、ということだったのですが、その後今日まで見てきて、日本ではたったの1年でここまでのことが出来る、その理由もわかりました。ここでは皆さんとても計画性があり、かつ高い実行力がある。そして「きちんとやりきる」マインドを持っていらっしゃいます。これに大きな感銘を受けました。住人としても、とても住みやすい国・街だと思っています。

―戸惑ったり困ったりした点はなかったですか?

ダービー様:特に無いです。私にとっては日本語が難し過ぎるくらいです。それでゴミの分別に少し困ることがあるのですが…それくらいですね(笑)。

日本ではお互いに助け合う文化がありますね。落とし物をしてもすぐに返ってくるとか。それは皆さんにとっては当たり前のことかもしれないですが、私にとっては特別なことに思えます。
Rugby School Japanは、バブルの中に閉じこもるのではなく、地域コミュニティに入っていって、コミュニティとともに活動することを大切に考えています。ですので、今申し上げてきた日本の、あるいは柏の葉の社会環境を、とてもありがたく感じています。

KOILのイベントを参考に校内に「イノベーションラボ」を創設。子どもたちと地域の皆さまとの共創を進めていきます。

―そう言っていただけると嬉しいです。では、その地域との活動についてお伺いします。地域連携の構想や計画について教えてください。

ダービー様:当校には日本全国、あるいは世界中から子どもたちがやってきます。ですので、子どもたちがどうやって柏の葉のコミュニティに入っていくか、それがとても重要です。三井不動産やUDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)、KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)などのサポートをいただいて、そのための具体的なプランがすでに立ち上がってきています。たとえば千葉大学、植物工場、東京大学、FSクリエイションなど地域のアカデミアや、KOILのメンバーを中心とするビジネスプレイヤーとのコラボレーションを検討中です。また、地域のスポーツクラブとの試合なども計画しています。さらにゴミ拾いなどのボランティア活動にも積極的に参加していく予定です。

―二渡さんは以前からKOILを拠点に英語教育やラグビー振興などの地域活動をされて来ましたが、このたびRugby School Japanの地域連携のご担当になられたということで、とても心強く感じています。二渡さんの役割について教えてください。

二渡様:大きく2つあります。
まず、課外活動のプログラムを創ること。スポーツから芸術まで、色々なプログラムを子どもたちに提供して、授業で学んだ知識を知恵として活かしていくためのプラットフォームを提供します。
もうひとつは、学外とのパートナーシップの構築です。課外活動プログラムを学内だけで行うのではなく、街の様々な方々と協力関係を築いてさらに大きなプラットフォームにしていく。その架け橋になるのが私の仕事です。

―Rugby School Japanと地域プレイヤーとの共創は、本当にワクワクする取り組みです。

ダービー様:私たちが街に出ていくだけではなく、街の皆さんにぜひ当校にお越しいただき、ラグビー場をはじめとする様々な施設を使っていただきたいと考えています。そのきっかけになるよう、多くの方に校内を見ていただける「コミュニティDAY」を設けることを考えています。

―それはエキサイティングです!

ダービー様:実は、先ほど申し上げた植物工場などとのコラボレーションのきっかけは、5月にKOILで開催していただいた交流会でした。ここでKOILのメンバーから提案していただいたコラボレーション案がとても素晴らしく、また参加された皆さんの熱気も印象的で、みんなで一緒に何かをやり遂げようという雰囲気が実にファンタスティックでした。強い感銘を受け、実はイベントの後当校のメンバーでそのままカフェに行ってディスカッションをしたんです。そこで当校にもこうした場が必要だという話になり、校内に「イノベーションラボ」を創ることを決めました。これは、KOILでヒントをいただいてラグビー校として初めてつくることになったものです。街の皆さんに、ぜひこのことを知っていただきたいです。そして、ここで子どもたちと街の皆さんとの様々な共創プロジェクトが進んでいくことを期待しています。

―それはとても嬉しいお話です!多くの共創が生まれるよう、街のみんなと一緒に色々とご提案していきたいと思います。
では最後に、街の皆さまや入校される方に向け、メッセージをお願いいたします。

ダービー様:私たちはインクルーシブな学校でありたいと考えています。施設見学やご質問など、可能な限り受け入れて対応していきたいと思います。
また、入学を検討されている皆さま、当校ではインターナショナルスクールとしての学習に留まらず、今申し上げてきたような地域との活動、地域の子どもたちとの関係構築などに積極的に取り組んでいきます。ラグビー校として奨学金制度なども設けていますので、ご興味のある方はぜひご確認ください。
いよいよ9月開校です、多くの方々にお会いするのを楽しみにしています。

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